認知症って具体的にどんな病気?? ただ忘れっぽくなるだけじゃない! 正しい知識を身に付けよう!
[はじめに]
認知症と聞いてどんなことを想像するでしょうか?「忘れっぽくなる」「新しいことが覚えられない」などのことを想像すると思います。 確かにそのような症状もあるのですが、実はそれだけではないんです。今回は認知症について種類や症状を紹介していきたいと思います。これを読めば認知症についてかなり詳しくなれると思います。
[そもそも認知症の定義とは??]
「認知症」と調べると ・認知障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態である(Wikipedia参照) とあります。 少し難しい言葉が多いですが要するに「今まで意識しなくてもできていたこと、何かを覚えたり行動できていたことができなること」です。
これは余談ですが、先天的(生まれた時から)な脳の障害は発達障害などと言われます。
[症状]
次に症状ですが、大きく分けて2つあります。中核症状とBPSD(周辺症状)です。
中核症状とは認知症が直接の原因で起こる症状です。記憶障害や見当識障害(時間・場所・人がわからなくなる)、判断力の低下や遂行機能障害(物事を計画立てて行えなくなる)などがあります。
一方BPSDとは認知症が直接の原因ではなく、環境や人間関係に左右されて起こる症状です。暴力や暴言、徘徊や不眠、せん妄や失禁、異食や不潔行為など人それぞれ起こる症状が違います。介護をしている方や関わる方々は、中核症状よりもBPSDに苦慮しています。
みなさんそうだと思いますが、急に見ず知らずの他人がいっぱいいる知らないところに連れてこられて「今日からここに住んでください」なんて言われたら不安で仕方ないですよね??認知症の方々は毎日そのような不安を持っているんです。もちろん全員ではありませんがBPSDが出現しているほとんどの方は不安を感じています。なのでまずは不安を取り除いてあげる関りが重要です。
[認知症の種類と特徴的な症状]
認知症の種類についてですが大きく分けて4種類あります。
日本で一番多いのがアルツハイマー型認知症で、認知症患者の約6割を占めています。脳内にアミロイドβ蛋白という異常蛋白が蓄積し、脳の神経細胞にダメージを与え、脳の全体が萎縮してしまう病気です。
脳血管性認知症とは、脳卒中(脳梗塞と脳出血)により脳の一部が働くなってしまい起こる病気です。脳卒中の部位によって症状が変わり、脳卒中を起こした回数が増えるほど様々な部位が働くなるので、まだら認知症と呼ばれることもあります。
レビー小体型認知症は、脳の広範囲にレビー小体という異常な蛋白が蓄積し、脳の神経細胞にダメージを与え生じる病気です。
前頭側頭型認知症とは、詳しい原因はわかっていませんがその名の通り、脳の前頭葉(前)と側頭葉(横)にダメージを受け、萎縮してしまう病気です。
種類 | 病態 |
---|---|
アルツハイマー型認知症 | 脳の全体が萎縮して生じる |
脳血管性認知症 | 脳卒中などにより生じる |
レビー小体型認知症 | 脳の広範囲にレビー小体という異常な蛋白がたまり生じる |
前頭側頭型認知症 | 脳の前頭葉と側頭葉という部分が萎縮して生じる |
次に特徴的な症状です。
アルツハイマー型認知症は先ほど記述した通り、脳の全体が萎縮するので様々な症状が現れます。また進行性であり、初期は健忘症状、多動などが見られ、次に知的障害や失語、失行などが見られます。
脳血管性認知症については脳卒中の部位により症状が変わるので省略します。
レビー小体型認知症では、幻視が特徴的です。幻視とは目に前にあるはずのない、いるはずのないものが見えることです。特にレビー小体型認知症では小動物や虫などが見えると訴えることが多いです。他にもパーキンソン病(後日紹介します)のような症状がみられるパーキンソニズムも出現します。
前頭側頭型認知症では前頭葉と側頭葉が支配している機能が障害されます。前頭葉は行動を開始したり、抑制する機能を司どっています。簡単に言うと人格です。つまり今まで優しかったのに急に怒りやすくなるなど、性格がガラッと変わってしまうんです。
側頭葉は左右で機能が少し異なりますが、言語や記憶の機能を司どっており、そこが障害されると、言語障害や記憶障害になってしまいます。
[まとめ]
今回は認知症について紹介してきました。
これを読めば忘れっぽくなるだけじゃないということがわかっていただけたと思います。
今後も様々な病気について書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!